喪中はがきは特別なお知らせ
身内に不幸があり、年始の挨拶を辞退する旨の連絡をする書面が喪中はがきです。
身内に不幸があったということは、大切な家族を失ったということであり、それを知らせる書面は特別なお知らせとなります。
喪中はがきは、年賀状を送るという習慣が定着した明治15年よりあとにできたもので、年賀状を送るという風習が定着したために、それができないときの手段として必要になったと言えます。
また、そもそも喪中はがきの原点は、皇室の大喪に際して官吏が出した書面であり、一般的とは言えないものでした。
庶民の間に徐々に広まるようになったのは大正時代に入ってからで、多くの人が風習として行うようになったのは、さらにあとの昭和になってからのことですので、年賀状に比べてはるかに歴史は浅いと言えます。
喪中はがきの変化は続く
家族葬が選ばれるようになった今、家族が亡くなったときも、葬儀を行うことも連絡しない人が増えている一方で、喪中はがきだけはきちんと出すという意識が定着したのは、現代人の考え方を象徴していると言えます。
かつては葬儀を行うことを知らせるのが礼儀だったため、喪中はがきを出さなくても喪に服していることを親戚縁者の誰もが知っていましたが、現在は葬儀のことを知らせずに行う人が増えたことで、逆に喪中はがきの必要性が高まったといえます。
親族でさえ、喪中はがきで身内が亡くなったことを知ったケースが珍しくない現在、喪中はがきの歴史としてつづられていく内容は、今後も変化し続けそうです。
送るときにはマナーを再確認しよう
喪中はがきにはいくつか文面に盛り込むべき内容がありますので、要点を押さえた内容にすることが大切です。
誰が、いつ、何歳で亡くなったのかを記すのが一般的ですが、昨今は個人情報の保護を重視する人が増えていることもあってか、あえて不幸があったことだけを知らせる文面が選ばれるケースもよくあります。
この場合、誰がいつ、何歳で亡くなったのかがまったく分からず、受け取った人は困惑してしまいますが、送り主に伝えたくない何らかの意図があったと察するしかありません。
年賀状代わりとなった喪中はがきの性質上、年賀状の用意をし始める11月中旬から12月上旬には届くようにするのがマナーです。
身内に出す人もいれば、身内は分かっているから出さないという人もいますし、会社関係の人には知らせず、通常通り年賀状を出すという人もいて、確固たるマナーが決まっていないのが喪中はがきの難しいところでもあります。
とはいえ、送るときにはマナーを再確認して納得して送ることが大切です。
また、喪中ハガキをもらった方は、お線香やろうそくのセット、お仏壇における小さなサイズのプリザーブドフラワーなどを、喪中見舞いとして贈られてみてはいかがでしょうか。