家族が亡くなるということ
家族の訃報に接するのには、大きく分けて二つの場合があると考えられます。
病気や高齢により、いずれそのときがくることを覚悟している場合と、事故や事件、はたまた急性の病気で不幸にして突然亡くなる場合です。
昨日まで元気だった家族がいなくなるショックは、後者のほうが大きいかもしれません。
しかしながら、前者の場合でも十分に覚悟していたはずが、実際にはショックは想像以上に大きく、現実にその瞬間が訪れない限り、自分がどのような状態になるかはおそらく分からないでしょう。
家族が亡くなるということは、それまで当たり前に存在していた人がいなくなるということであり、失ってみて初めていかに大切な存在だったかをしみじみ痛感することであるとも言えます。
冷静さを失っても迅速な対応は必要
家族の訃報に接して冷静沈着に行動できる人は、そうそういないでしょう。
ほとんどの人は、混乱して頭がまともに働かなくなると思われます。
そんな状況でも迅速な行動が求められることはたくさんあり、中でもまず葬儀の手配が必要です。
葬儀はそれ自体が非常に大変なものですが、思考がストップした状態で手配を行う大変さは、経験した人にしか分からないことです。
さらに、訃報の連絡をすることも非常に大切なことの一つに挙げられます。
亡くなった人にとって、とても大切な人が必ずいたはずです。
実家を出て一人暮らしをしている息子や娘、嫁いだ娘や家庭を築いた息子は深夜や早朝を問わず、早急に連絡するべき人たちでしょう。
状況を正確かつ確実に伝えるには、やはり電話が最適と言えます。
メールやラインでは伝えるべきことが多すぎて、手段として適していません。
電話は固定電話のほか、ほとんどの人が携帯電話を持っていますので、緊急の場合は時間に関係なく連絡する旨を常日頃から伝えておくことが大切です。
また、冷静に考えられなくなることを想定し、万一の場合に備えて連絡する相手を把握しておくことも必要でしょう。
そうすることで、訃報に際したときに連絡漏れを防ぐことができます。
昨今の葬儀の傾向
訃報の知らせは、早急に連絡することが必要な人と、通夜と告別式の日にちが決まった時点で連絡する人に大別できます。
近頃は亡くなったことを公にせず、家族や近親者のみで行う家族葬が増えていますが、亡くなった人と親交の深かった人にはやはり伝えるべきでしょう。
葬儀が終わってから人づてに聞いたでは、あまりに寂しいものです。
しかし、家族葬は一般葬と違い、参列しても良いのか悩む人も多くいます。
香典を用意すべきかどうかも参列者側には重要なことですので、近年多くなった香典辞退をする場合は、訃報の知らせとともに伝えるのが礼儀といえます。
こうした注意点を押さえながらきちんと連絡ができれば、”もしお花を贈りたいと思った場合でも、しっかりと送る準備ができ”、遺族にとって、心慰められる葬儀になることでしょう。